メタルLANケーブル
敷設済みのCAT5ケーブルでギガビットイーサネットの通信は可能ですか?
CAT5ケーブルと一言でいっても、どの時期に製造され、どの規格に適合しているかで保証される伝送性能は異なります。日本では主にANSI/TIA/EIA-568シリーズ、ISO/IEC 11801(これを翻訳したものがJIS X 5150)が用いられています。アプリケーションとCAT5規格の関係は下表のようになります。
アプリケーション |
100BASE-TX |
1000BASE-T |
||
---|---|---|---|---|
通称 |
Old CAT5 |
New CAT5 |
CAT5e |
|
ANSI/ TIA/EIA |
対応規格 |
568-A (1995) |
TSB95 (1999) |
568-B.2 (2001) |
配線カテゴリ |
CAT5 |
CAT5 |
CAT5e |
|
ケーブルカテゴリ |
CAT5 |
CAT5 |
CAT5e |
|
ISO/IEC [JIS] |
対応規格 |
11801 1st edition(1995) [X 5150:1996] |
11801 Amendment1(1999) 11801 Amendment2(1999) [X 5150 追補1:2000] |
11801 2nd edition(2002) [X 5150:2004] |
配線クラス |
クラスD |
クラスD |
クラスD |
|
ケーブルカテゴリ |
CAT5 |
CAT5 |
CAT5 |
ギガビットイーサネットにあたる1000BASE-Tの通信を行うには、TIA/EIA-568-AのCAT5やISO 11801 1st editionのクラスDでは規定されていなかったELFEXT(等レベル遠端漏話)の特性が必要となります。1995年当初に販売されていたCAT5ケーブルは、1000BASE-T対応規格が存在していなかったので、確認がとれていません。その後、すでに敷設済みのCAT5ケーブルにギガビットイーサネットを通すためにTIA/EIA TSB95や、ISO 11801 Amendmentが制定されました。CAT5ケーブルであってもこの規格をパスすれば、1000BASE-Tの通信が可能です。つまり、ELFEXTを規定したCAT5規格がTIA/EIA TSB95やISO 11801 Amendmentとなります。
CAT5ケーブルを使用した敷設済みのリンクでギガビットイーサネット通信が可能かを知るのに一番確実な方法は、フィールドテスタでの検証です。DSX-8000(Fluke社製)などにTSB95が入っています。もしパスしなかった場合には張り替えをご検討ください。もちろんTIA/EIA-568-B.2に対応したCAT5eケーブルや、ISO 11801 2nd editionに対応したCAT5ケーブルの方が、以前のCAT5ケーブルに比べノイズ耐性など電気特性が優れています。